使用される麹菌

  • 1.分類上の区分
    種麹に使用されるカビ(すなわち麹製造に使用されるカビ)を総称して、麹菌と呼びます。麹菌は、分類上異なるいくつかの菌種により構成されています。最も多く使用されている代表的な種類がアスペルギルス オリゼー(Aspergillus oryzae)と呼ばれる菌種で、これは清酒、味噌、醤油、みりん、焼酎など大変広い用途に使用されます。それ以外に、醤油用の菌種として、アスペルギルス ソーヤ、焼酎用の菌種としてアスペルギルス ルチエンシス カワチ、アスペルギルス ルチエンシス アワモリ、などが使用されています。

    アスペルギルスソーヤアスペルギルス
    ソーヤ

    アスペルギルス ルチエンシス アワモリアスペルギルス
    ルチエンシス
    アワモリ

    アスペルギルスカワチアスペルギルス
    ルチエンシス
    カワチ

  • 2.使用上の区分
    同じアスペルギルス オリゼーと分類された菌株でも、表面が綿状であったり、一面に胞子が着生したり、胞子の色も微妙に異なったりと見た目に大きく異なります。その性質も生育が早い遅い、タンパク質を分解する力が強い、デンプンを分解する力が強い、などなど、各々に特徴があります。これは他の麹菌、アスペルギルス ソーヤ、アスペルギルス ルチエンシス カワチ、アスペルギルス ルチエンシス アワモリでも同様で、分類上は同じ種類でも性質の異なる菌がたくさん存在します。当社研究室の菌株保存庫にはこのように性質の異なる麹菌が数千種保存されており、特徴を生かすことができる出番が来るのを待っています。 このように菌によって千差万別の特徴をひとつひとつ調べ、清酒、味噌、醤油、味醂などの製造に適した性質をもった麹菌を各々、清酒用麹菌、味噌用麹菌、などと呼びます。醸造に使用する麹菌はいくつかの要件を確実にクリアした菌でないと使用できません。例えば、清酒用であれば、1)デンプン分解力(特にグルコアミラーゼ)が強く、2)タンパク質分解力が弱く、3)米麹が白く、4)麹の香りが良い、5)蒸米上で繁殖が良い、などが最低限の条件となります。ですから、単純にひとつの性質が秀でているといっても、種麹の菌として使用できません。現在各々の用途別に種麹に使用されている菌は麹菌の中でも、エリートと言っても良いかもしれません。

    アスペルギルス オリゼー 白色変異株 白麹用アスペルギルス
    オリゼー
    白色変異株 白麹用

    アスペルギルス オリゼ ー清酒 大吟醸用アスペルギルス
    オリゼー
    清酒 大吟醸用

    アスペルギルス オリゼー 醤油用アスペルギルス
    オリゼー
    醤油用