種麹とは
種麹とは、麹を作るための麹菌を供給するために麹菌の胞子を生育し商品化したものです。
味噌、 醤油、味醂、清酒、焼酎などの醸造に必要な「麹」造りの基礎原料としてその製造を支えています。
また、近年では世界中のレストランで調理技法として麹を使った発酵が応用されています。
醸造食品の製造概略
麹菌は、生育する過程で酵素などの様々な物質を産生します。麹は醸造食品製造において主に3つの役割を担っています。
一つ目は、産生した酵素で原料を分解すること。二つ目は、乳酸菌や酵母に栄養源を供給すること、三つ目は味や香りの形成に寄与することです。
日本醸造学会による麹菌の定義
麹菌は日本の空気中や稲などに棲むカビの仲間の微生物です。
日本醸造学会が定義した同じ麹菌の中でも、特徴が異なる菌株が数多くあります。ビオックでは約3000種の菌株を保有しています。当社は、母体である糀屋三左衛門の時代から、産生する酵素のバランスなど菌株ごとの特徴を使い分けることで、お客様の求める最終商品(味噌・醤油・清酒など)を作るための種麹を製造し、醸造食品の骨格造りを技術的に支えてきました。
蒸した米などに原菌となる麹菌の胞子を均一に撒き、約1週間温度や湿度を管理し麹菌の胞子を大量に育てます。そして、胞子が大量についた状態の米を乾燥させることで、種麹は出来上がります。
この種麹を米に麹菌が生えた状態のままパッケージしたものが「粒状種麹」、米と麹菌の胞子を分離して、胞子だけを集めて調整したものが「粉状種麹」です。粉状種麹では、特徴の異なる複数の菌を配合することも可能です。
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粉状種麹
胞子量の調整が容易なため汎用性に優れており、また、異なる特徴を持つ菌株を混合することもできるため、醸造メーカー様から個人の方まで幅広く使用されています。
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粒状種麹
篩(ふるい)を使って手作業で種切(麹菌の接種)をする清酒メーカー様や、ドラム式の機械で製麹している焼酎メーカー様で、主に使用されています。(※清酒用・焼酎用の種麹のみ粒状種麹をご用意しております)
種麹による発酵技術の応用
現在、種麹を使った発酵は醸造のほかにも美容・健康分野、SDGs、美食など様々な場面で応用されています。
ビオックでは、米や大豆などの穀物以外にも、お客様の持つ素材を麹化することで付加価値を与える新素材の開発もお手伝いしています。